クリプトスペルズをちょっとだけ遊びました:後編
後編です。
前編中編があるのでそちらからご覧ください。
前編:https://da-kunes.hatenablog.com/entry/2021/12/09/180000
中編:https://da-kunes.hatenablog.com/entry/2021/12/11/180000
クリプトスペルズ独特の体験に関しては大方語ったので、最後に普通にカードゲームとしての感想を書いて締めくくりたいと思います。
・デジタルカードゲームとしての評価
1.ゲームシステム
基本はハースストーン。
独自の点は、ヒーローパワーの代わりにある「クリプトスペル」の存在です。
クリプトスペルは1回使い切りの呪文です。
デッキ構築の段階で3種類を選択し、マッチング時に先攻後攻と相手のリーダーが分かった後でその3つの中から1つを選ぶ……というもの。
選んだクリプトスペルがゲーム開始時から手札に入るような形です。
コストも効果もリーダーによって様々ですが、試合開始時に相手に合わせて1枚選べる仕組みは戦術的で面白いですね。
色は5色+中立、リーダーは各色に2人ずつ。
他は……まあ殆どハースストーンですかね。
2.環境
ここは流石に語れることは多くありません。
高レア持ってないし環境上位で戦ったわけでもないので。
ただ、暴力的なゴールドカードが多く対応力も高い青が頭一つ抜けていて、ウィニーのパンプアップが豊富で初手が強いと止まらない白、ボード制圧と打点が高めの赤がそれに追随する形。
黒は強いカードは幾つかあるけど明確な勝利プランの作成力にやや欠け、緑は……凄い微妙ですが、来年の頭に強いレジェンドが予告されている。
ざっと見たイメージだとそんな感じです。
総じてバランスは……やや悪いけど絶望的という程ではない。
ブロンズカードのパワーはかなり初期のハースストーンに近いので、穏やかな勝負を楽しみたい人には懐かしさがあるかもしれませんね。
レジェンドはともかく、ゴールドに関しても一部のぶっ壊れ以外はかなりマイルドな性能が多いです。調整が雑ともいう。
アクティブユーザーの少なさとカードプールの歪さという軸が別にあるので、バランスの悪さを単体で考えようとするのもなかなか難しい。
そして、少し失礼な言い方かもしれませんがカードゲームが上手い人の絶対数が少ないので、環境の進みや掘り下げは遅い印象です。
一部の人は勿論しっかり分かってるけど、その情報が浸透しているかというとしていない。まあゲームの性質上秘密主義者も多そうですけどね。
3.カードプールの追加速度
他のゲームのように一括で新弾が出るとかではないので、カードプールの追加速度はかなり遅いです。
新カード1枚を2週間売ってるみたいな状態なのでさもありなん。
今のゴールドカードは200種類ほどなんですが、そのうち2割ほどはプロモで、他の2割はひと目見ただけで思考から外してよさそうなレベルのカードなので、環境で実用性がもしかしたらあるかも? みたいなカードを全部ひっくるめても120種類くらいしか覚えるカードがないんですよね。
勿論ゴールド以外のカードも覚える必要はありますが、ブロンズやシルバーは枚数があっても情報量が少ないしレジェンドはほんの数枚しか覚えるものがないので。
現状のカードプールをなんとなく把握するのに殆ど時間はかからないと思います。
まあつまり、プールは少なくて環境の変化も酷くゆっくり、ということではあります。他のDTCGの感覚を引き継いでくると流石にゆっくり過ぎて飽きるかも。
4.アクティブ人数・ユーザー層
前編や中編でもいいましたがとっても人数は少ないです。数百人。
その代わりにカードゲームの精鋭が揃っているかというと、別にそういうわけでもないです。多分、カードゲーム上手男がちょっと資金を積んで乗り込んできたらそれなりに暴れられると思います。
少なくとも、カードレアリティの暴力で誰にも全然勝てない!! つまらん!! みたいな感じには多分ならないです。デッキ差が結構あっても、パワー差を無視してゴリ押ししやすいデッキを吟味して使えば一定の確率で普通に勝てるので。
勿論、ほぼ完璧な構築相手は無理ですが。
5.クエスト(ソロモード)
事実上、称号獲得専用のモード。
しかしNFTを沢山持つようになるまでは1日に1回しか挑戦できず、称号獲得用のクエストは初見殺しの雑ムーブCPU相手にハンデ背負いながら戦う感じです。
先駆者のアドバイス記事を参考にして挑めば大抵一発クリアは可能ですが、曜日クエスト方式であることと1日1回しかプレイ不可という縛りは正直本当にまだるっこしいだけでなかなかの虚無です。
このコンテンツの存在意義はほぼほぼ感じられないので、スピリット集め(面倒なので説明省略)に関する仕組みをどこか別に移すか用意するかして、廃止していいような気がします。
多分誰も何も得してない。
その他、イラストやUIに関しても触れようかとも思いましたが「UIや演出はちゃちいけど、遊ぶのに不便はないので特別減点するようなところではない」「イラストは良くも悪くもごった煮。プラマイゼロ」みたいな感じだったのでこの一文のみで紹介を終えておきます。
6.まとめ
小銭をコツコツ稼げるついでにちょっとしたカードゲームがついている、くらいの感覚で臨めば結構よくできてて面白かったです。
また、「ユーザー規模を基準に考えると」滅茶苦茶面白いゲームだと思います。
ユーザーが少ないからこそ楽しめる点を見出だせる人なら楽しそう。
色んな面から掘り下げた場合は……まあなんとも。
面白いカードゲームをやりたい、という人なら他にもっと幾らでも候補はある世の中なので、この独特な環境に興味がある方向けですね。
私としては、一回はどこかしらで興味を示すことになるであろうNFTゲームに関して体験と考察ができたので、やってよかったなーと思ってます。
以上、非常に長いレポートになってしまいましたがお付き合い頂きありがとうございました。
ではまたどこかで。