エロティック大惨事スペクタクル巨編「とろぐちょサキュバス」を読みました
とろぐちょサキュバス ~クソ雑魚サキュバスがスライムと一緒にエグい成長し続けて冒険者とかをとろぐちょセックスでアクメさせまくる話~
こちらを読んで大変面白かった、という話になります。
2020年に完結済みで最近になって知ったわけですが、この出会いに感謝します。
完膚なきまでにR-18作品なので、問題がある方はすぐ引き返してくださいませ。
突然TLにこの小説のレビューが流れてきたときは「何事だよ」と思ったのですが、タイトルの時点で私は興味を惹かれてしまったし、そのレビューの冒頭の時点で「これは凄い作品に違いない」という期待を感じたので、急ぎ本編を読みにいきました。
想像以上のスケールの物語が、そこにありました。
さて、皆さんは「サキュバス」という存在に対してどのようなイメージを持っているでしょうか。
昨今様々な創作でそのキャラ付けが広がりつつあるのは間違いないですが、私の場合、「人間より上位の存在で、理知的かつ享楽的、他者を弄ぶのを好む」といった傾向をひとまず想像します。
しかしこの作品の主役は「クソ雑魚サキュバス」です。既にそういう傾向から大きく外れている様子。
ここであらすじを引用してみましょう。
正確には、たまたま過疎地で生成されてしまった為、生まれた瞬間から魔力も快楽も枯渇して死にかけてたクソ雑魚サキュバスがたまたま死にかけてたスライムに出会ったのでそのまま流れで三日三晩連続絶頂させられてとろぐちょセックスを繰り返している内に上手い事互いの能力が噛み合い共生関係に至り、媚薬成分を撒き散らして潮吹きアクメしながら冒険者とかモンスターとか民間人とかをハートマーク喘ぎのとろとろえっちでハメ殺したりエグい成長したりする話。
ここまで読んだ時点でもう完全にこちらのイメージはぶち壊されていて、「なんだか凄いことになっちゃったぞ」という感想が漏れ出てきます。
サキュバスとスライムの共生関係、という発想で既に引き込まれてしまうし、「媚薬成分を撒き散らして潮吹きアクメしながら」から想像される絵面があまりにも悲惨。もうどうやったら収拾がつくんだ、とソワソワしてしまいます。
サキュバスはスライム相手にイキ続け魔力を無限に発生させ、スライムは魔力を含んだ媚薬成分のある愛液を摂取し続けて膨張・増殖を繰り返す。
最悪の永久機関と化したこのタッグに、この世界の生命たちはどう立ち向かっていくのか。あなたの目で、是非見届けて欲しい。
既に「面白そうだな」と感じている方は急ぎ本編を読みに行っていただいて、この記事は後で感想を共有するのに利用してもらえればと思います。
ここからはとろぐちょサキュバスで私が好きなところを更に掘り下げていきます。
本編の話も結構入ってしまうのであしからず。
とろぐちょサキュバスのここが凄い!
世界観・設定・キャラクター背景の作り込み
ファンタジー世界を舞台とする当作品ですが、ただファンタジーと片付けるのではなく各種生物や魔力の概念に関してしっかり文中で解説がされています。
まあスタートからしてサキュバスとスライムの共生関係なので、そこが曖昧では話が進められないというのはあるでしょうが、その手の設定を読むのが好きな人にもおすすめ。
死んでいくキャラクターたちの背景描写の濃さも見逃せないポイントです。
この作品において、大体のキャラクターはこのサキュバスの少女に敗北…つまり無様に絶頂し、快楽に脳を焼き切られ死ぬわけですが、そこに至るまでの描写が非常に丁寧で読み応えがあります。
積み上げた人生に、十分な警戒と対策。それらを総動員して、結局セックスバトルに敗北しアクメしまくって無様に死んでいく人々*1を見ているともう情緒がグチャグチャになります。
戦闘のスリル
一方で、このサキュバスの少女が無敵なのかと言われるとそうではありません。
結果的に無茶苦茶な魔力を持つことにはなりましたが、このサキュバスは生まれた時に身近に知識を与えてくれる同族もなく、最初の知性は赤ちゃん同然の状態です。
何なら物語の最後まで知性はあまり高くなりません。
戦闘に強い技能や魔法を使えるわけでもなく。できるのは、超高濃度の魔力とアクメし続けた経験を使って「相手を死ぬほど気持ちよくさせる」ことだけ。
いやまあ文字通り快楽で相手は死ぬんですけど……
物語の途中から、快楽に耐性のある相手やそもそも快楽の通じない敵にも対峙してしまうサキュバスの少女のことを、読者はハラハラしながら見守ることになるのです。
見つめただけで絶頂して廃人になるモブだけだと思うな。
セックスバトルは、甘くない。
容赦のない展開
上記の通りあまり知性のないこのサキュバス。当然ながら倫理観もありません。
基本的に気持ちよくなっていたいだけで、それ以外に特に目的意識もありません。
しかしそれ故に歯止めがない。媚薬成分の塊と化したスライムは増え続け、生態系は破壊され、村は滅びます。
冗談みたいに人命が軽く、呼吸するように絶頂する(誇張なし)描写は、容易に読者の脳を混乱の渦に沈めるでしょう。
サキュバス本人に悪意も野心もない以上、この災害がどこへ向かうのかは予断を許しません。
淫語とハートマークだらけで読むのに相当な体力を消費するはずなのに、先が気になって読み進める手が止まらない。それがとろぐちょサキュバス。
あまりに濃厚な百合
物語の中盤から、「囀る法悦のズィルゥ」という別のサキュバスが登場します。
彼女には知恵も矜持もあり、スライムとセックスするような恥知らず*2ではないのですが、結果から言うと彼女もサキュバスの少女withスライムに敗北し、尊厳全壊アクメをキメます。
その後ズィルゥはサキュバスの少女の虜となり、快楽で死なないというサキュバスの性質を活かし(?)延々いちゃらぶセックスをし続けるのですが、ただの肉体関係の描写に終わらない二人の繋がりの深さに読者は衝撃を受けるはずです。
始めはその関係が分からなかったサキュバスの少女も、ズィルゥに影響されて少しずつ成長し変化し、ズィルゥの献身もより真剣さを増していきます。
百合が好きな方にはこの作品を「更に」おすすめしたい。
人類からすればパニックホラーでも、彼女たちにとっては愛の逃避行なのです。
二人の作る世界をどうか、見届けて欲しい。
とろぐちょサキュバスおすすめの楽しみ方
読み方、楽しみ方は十人十色で決して強制するものではないのは勿論分かっていますが、それでもどうしてもおすすめしたい読み方があります。
一言で言えば「キャラクターへの感情移入」なんですが、これは相性・向き不向きがあるので、
・既にとろぐちょサキュバスを読み進めていて最後まで読むつもりor読破している
・キャラクターへ感情移入して小説を読むことに慣れている
・強烈に感情が揺さぶられても問題ない
という方へのお話になります。
どうなっても責任は取りませんのでご了承ください。
人類視点になる
おそらく読者の皆さんは人類だと思うので、こう書くと「それは俯瞰視点と変わらないのでは?」と思われるかもしれませんが、そうではありません。
とろぐちょサキュバスの世界で、結末まで生き残るモブその1として想像を膨らませてほしいのです。
最終局面まで情勢をまるで知らないというのもアレなので、「空隙の桃園」に関する情報が少し流れてきているのを聞いたり、王国民だったりするのがちょうどいいかとは思うんですがその辺は裁量におまかせします。
あまりに理不尽な災害への恐怖と快楽、新たなる人生への衝撃で脳がバグって奇声を上げること請け合いです。
ズィルゥ視点になる
これは本当におすすめなんですが、同時に没入しすぎるとえらいことになるので用量用法をよく守って実践していただきたいです。
ズィルゥに降りかかる苦難と快楽は尋常じゃありません。
途中からは常に快楽を耐えながら魔法を使用するし、我慢に我慢を重ねた後で「女王さま」たるサキュバスの少女とぐっちょぐちょのレズセックスをするルーティンを確立するわけですが、ズィルゥにはそれでも「女王さま」を守る使命があります。
苦難、快楽、使命、幸福感。あらゆる場面で凄絶な板挟みです。
彼女の気持ちになりながら物語を読み進めていけば、本当に「脳が焼ききれそうになる」体験ができるでしょう。
気持ちいいけど本当に危ないので気をつけてくださいね。じゃあなんで書いた?
私もやったからだよ。
最後に
このレビューを書いているのも、とろぐちょサキュバスで完全に頭がバグったからに他ならないわけですが、それでもこの作品に出会えた喜びには変えられません。
普段は別にノクターンを覗くことはない人間なので、知ることができて本当に運が良かったなぁと。
作者様、素晴らしい作品をありがとうございます。
また、出会うきっかけとなった先人のレビュアー*3にも感謝を。
ここまでの読後感を味わえるのも、こんなレビューを書くのも久しぶりです。
この熱量が少しは伝わればいいなと思いつつ、この辺りで失礼します。
それでは。